価額按分

土地建物の価額按分のことですが、通常売り物件概要書の売価には、その価額按分がされずに税込総額が書かれているケースがほとんどで、売買契約寸前にその価額按分を決めるということが多いですね。

建物価額が大きくなると、売主側は消費税が多くなり、申告で収める消費税が多いということになります。そのため売主は建物価額は低いほうがいいと考えます。

反対に、買主側は建物価額が大きくなれば、減価償却額も増え、その分申告所得額が減るので、結果、所有期間中の収める所得税や法人税は少なくなりますから、建物価額は大きいほうがいいということになります。

ただし、売却するときはその分利益が大きくなってトータルで考えると同じという人もいます。私はその考え方に与しません。なぜならそこには時間軸の発想がないからです。

一般的に売主・買主は二律背反の状態になるわけです。それを解消する方法はあるのかと言いますと、私はあると思っています。それを知らずに仲介している業者さんがほとんどです。特に両手で仲介する場合は、それを知らずして、売主買主の利益が守られるのかというと疑問です。

価額按分の仕方というと、固定資産税評価額按分にするという手法を取り、それをあたかも当然のように思われているケースも多く、これしかないと思っている人もいます。

税務上は価額按分の仕方として、5種類以上認めています。その手法を税理士さんでも知らない人がいるぐらいですから、業者さんが知らないのも無理はないのです。でも知ると価額の付け方にも理論的根拠となります。

基本的な考え方は、売買は時価で行うという考え方です。では、時価とは何ぞやとなるのです。時価を説明できれば、土地建物按分はこの手法でないとだめということはないということです。 和合実