借入額90%OKの築古物件と、借入額70%OKの築浅物件

ともに価額は2億円の一棟もののマンションです。一方は築25年のRC造の7階建てマンション。駅からも遠くバス便。空室も多い。 でも現状表面利回りで11%です。銀行の評価も高く90%の借入れ承諾が取れています。もう一方は、築5年のRC造10階建てマンション。都心の駅近物件。現状満室で表面利回り7.5%です。銀行の評価では70%の借入れ承諾しか取れません。一般的には築年数の浅い駅近物件が好まれます。それだけ需要は多いのです。ですが銀行借入れは先のとおりです。この場合、諸費用込みで7000万円ぐらいの自己資金が無いと購入できません。築古物件は自己資金2800万円ほどです。どちらが買いやすいかというと築古ですよね。でもバス便ですし、古いからと二の足を踏むのではありませんか?これはどういうことかと申しますと、築浅の物件はそれだけ価額が高いということです。土地の買いニーズが多いため土地価額が高くなる。しかし賃料は上がらない。当然利回りはその分低くなっているということです。これが今の現状ではないかと思います。この価額帯ではファンドのニーズはないため、まだこれだけの利回りがあるのです。ファンドの購入対象物件になってきますと、もっと利回りは下がります。それだけ需要が多いということです。キャッシュフローを目指すなら築古でも仕方なしと妥協すれば、買えないことはない人が随分います。でもそういう人の多くは、築浅の駅近狙いを諦めていません。それはそれでいいのですが、それだけ購入が難しくなっているという自覚を持たないといけません。いつまで待てば求める物件が見つかるという保証はどこにもありません。ですからあらかじめ、「どこで自分は手を打つのか」を、決めておく必要があります。あるいは「今は買う時期でない」と、諦める時期がきているような気もします。自己資金の十分な人はまだ選択の余地はありますが、そうでない人は割り切って銀行の評価のでる物件を検討するしかありません。では何故そのような物件に評価が高くでるのでしょうか?考えられることは、①今後バス便エリアでも価額は上がるとみている。②空室があっても利回りが良い。③物件価額は土地代に集約されている。④返済リスクは低いと見ている。⑤利回りの上がる余地があるとみている。というようなところでしょうか。さて皆さんならどのような選択をされますでしょうか?  和合 実