路線価は上がった?

 8月1日は全国の路線価の公表日です。関西圏の路線価が平均して上がったのは事実として、エリアを絞ってみますと、 上昇しているのは一部です。大阪の中心部等特定のエリアで大きく上昇しているために、上がっていると見えます。これは商業地域で見られる現象で、一般的な住宅地はそれほどでもありません。

 一度過去5年分の路線価を並べてみるとよくわかります。今年上昇して付いた価額は3年前とほぼ同額です。5年前なら、そのときの方が今年の路線価より高いはずです。3年前から上昇傾向にありましたが、その間は反対に路線価は下がっていました。実勢価額とタイムラグがあるのです。既に京都では景観を守るために高さ規制がしかれ、そのため容積が十分取れなくなっています。それは土地のポテンシャルは下がることを意味しますから、実勢価額は下がっています。来年京都の路線価は下がることになると思います。

 都心部の目抜き通り沿いは別にして、商業地も来年の上昇率は下がると思われます。全体的に路線価は横ばいになろうかと思います。実勢価額は下がっていく傾向にあるからです。どんな土地が、あるいは物件が下がっていくのかよく見ておく必要があります。値ごろ感が出てきたら、購入のチャンスです。それまで待つのも一法です。但し、どこ当りが値ごろなのかをしっかり自分で決めておかないと、先に買われてしまうことにもなります。なぜなら、収益物件の購入見込み客は以前として増えているからです。公表数値が出るときには、「既に過去のこと」と思っておくほうが、正しい判断ができると思います。 和合 実