私権の制限

東北の震災復興に足かせとなっていることが報じられています。それはある人が見たらゴミとなっている私物も、その所有者には財産と思え るものもあるからです。

「自分の敷地内に津波で流れてきた自動車を片付けていいか」と、市役所に尋ねる人もいるようですが、市役所は返事に困っているようです。いいともダメとも言えないと、個人の判断に任せているというのです。

市役所がいいと言えば、あとからそれで財産権の侵害と所有者から訴えられかねないと懸念しているからです。

自衛隊が学校の敷地に重機を運び、そこを拠点に瓦礫を片付けようとしても、学校敷地に流れ込んだ自動車を移動させることも、ためらっているのです。

端的に言えば、多くの被災者をできるだけ早く救済すべく復興を優先すべきか、それとも復興は遅れても私権を優先すべきかという選択ではないかと思います。

処分の対象と思える私物に張り紙をして、一定期間返事がなければゴミとして処分するということも検討されているようです。

こんな異常事態を平常時と同じ感覚で判断していたら、なることもならないでしょうから、私はいろんな場面で私権の制限はやむをえないと考えますが、皆さんはいかがお考えでしょうか? 和合実