意識の自縛は消せないもの?

先日、ある顧客から、「数年前、買換えでは悩みましたが、今では買換えをして本当によかった」というお話を伺うことができました。 この方は、当時相続税対策のための土地の活用で、建設会社やアパートメーカー等数社から、土地活用の提案を受けておられたのです。

どの提案も気にいるものはなかったのですが、どこかに決めようとされていました。そのときに相談を受けたのです。

申し訳ないのですが、収益面から見ますと、私はこの土地に魅力を感じませんでした。ですから、「ここで借金をしては、相続よりも返済に苦しむことになる」と説明をし、この土地の売却と、収益物件の購入をお勧めしたのです。

迷われること半年、ついに買換えを選択されました。この半年間、周囲の目を気にした意識の自縛と格闘されていたのです。「あのとき、借金をして建築していたら、後悔していたと思う」と言われていました。

ここ数年、私が相談を受ける相続税対策のための土地活用を、その土地でした方がいいというのは多くはありません。でも、買換えを決意されることも、まだまだ少ない状況です。

「先祖の土地を手放すことは悪」という意識の自縛は簡単には消せないということです。 和合実