持つ悩みと持てない悩み

 不動産を持ちたくても持てない悩みもあれば、持つ悩みもあります。私のところには両者の悩みの相談が来ます。持てない人の悩みは、物件情報が入らない・融資をしてくれない・どこから手をつければいいかわからない・連帯保証人がいない・購入の決断ができないといったものです。他方、 持つ人の悩みとは、空室が多い・出口が見えない・入居者や近隣との揉め事・家賃滞納・相続対策・相続人間の争い・返済がきつい・管理会社とのトラブル・資産の組換え方法がわからない・信頼して相談できる人がいない等々です。

 共通して感じますのは、相手の気持ちを察することができていないことや、感謝の気持ちが薄かったり、踏み込み方が足らない点です。持つ人の悩みは持てない人から見ると、ときどき贅沢な悩みと私には映ることもあります。どこまで行っても悩みが尽きないというのが実情です。

 大概の悩みは解決できます。私の場合、解決するまで諦めないからです。一つの手法にこだわらず、手を替え、品を替え、思いつく解決法を次々と出していきます。そうしますといずれ解決します。すなわち、根気が必要です。楽して問題解決は致しません。粘り強く決してへこたれないことが大事なのです。そのためには、不動産所有を楽しまないといけません。苦痛に思うと長続きはしないからです。

 私も悩みがないわけではありませんが、解決の手法を考えることもあまり苦になりませんから、楽しみながら不動産と付き合っています。何も問題なく所有できることはありません。問題が出てきて当たり前なのです。それに対して、嫌がらずに向き合うことの覚悟が必要です。そう思えれば、気持ちに余裕が生まれ、何とかなるケースが多いように思えます。持てない人も持つ人も、一度その点を見返っていただければと思います。  和合 実