年季の入った大家さんの見方

不動産は買って終わりではありません。某不動産会社のケースです。ここは知る人ぞ知るという名門企業です。 ここが昨年から資産の組換えをしています。ここにとっては小ぶりの物件、といっても1億円から5億円ぐらいの物件ですが、これらを処分して大型物件に買換えをしているのです。売られている物件には、私の好きな店舗物件もあります。何故売却するのかわかりますか?ここは家賃収入だけで社員を養っている企業ですから、効率を考えているのです。大型の優良物件ですと手間がかかりにくいのです。テナントは大手企業ばかりです。言い方を換えれば、小物は相手にしない企業です。ビル物件が中心で、商業テナントビルもありますが、それでも名前の通ったテナントしか入れないというスタンスです。ですから、入居者とのトラブルは少ないと思われます。ここは昔からの大家さんといった感じです。社員数も少ないですし、品の良さがあります。過去からの優良資産の保有で含み益はかなりそうです。ですから、最近取得している物件の利回りは、それほど高いものでもなさそうです。資産価値の高い物件を中心に保有しているのです。これがある意味、不動産保有の真髄だと思います。これは過去の蓄積があるからなせる業です。不動産価額が上がろうが下がろうがあまり関係ないのです。家賃を安定的に取れる物件が良いということです。このレベルに、個人ではなかなか到達できないかもしれませんが、個人資産家でも組換えをしている人を知っています。この方は親の代からの大家さんで、不動産投資という観点でなく、資産価値の維持のために買換えをされています。見る目は私より厳しいところがあります。でも利回りは低くとも、長期保有前提で考えておられるため、ポイントは立地と建物の価値です。人によって選択する物件が異なります。それは不動産保有状況が違うからです。一から始めるのと、既にある資産を組換えて、将来的にも安定する収益を買うというのでは、見方も自ずと異なります。規模は違っても年季の入った大家さんの考えることは似ています。みなさんは自分の目指す不動産がどんなものか、もう見えてきましたでしょうか?和合 実