評価額の低くなる不動産

 不動産の評価をするのに、2つの面から評価をします。1つは収益還元法で、もう一つは資産価値から見る方法です。 土地を効率よく使っていないと収益は落ちます。たとえば、180坪の土地があり、そこに1階は駐車場、2階3階は2LDKの住戸各4つ、4階は自宅とします。築年数は10年。建築費は1億円。土地の価額は坪あたり80万円。収益は年間960万円です。これに自宅部分を賃貸して年間240万円の収入を見込んで、収益還元法で評価をしますと1200万円÷0.8=1.5億円ぐらいでしょうか、土地は180坪×80万円=1.44億円、建物7000万円、合計2.14億円です。表面利回り9%なら1.33億円、10%なら1.2億円です。そうしますと更地の方が資産価値が高いということになります。これを何らかの事情で売却するとなりますと、売り手は損を覚悟で売却しなければならなくなるのです。すなわちこの場合の土地利用は誤っていたことになります。こういうことは土地を相続で取得し、「土地はただ」という発想が根底にある場合の土地活用で生じます。一例が土地効率を考えないでアパートを建てた場合です。建物だけでしたら、投資額が少なくて済むため、地主さんには失敗しても何とかなるという思いがあるのです。失敗したら損が大きいという考えはありません。ですからアパートは建っていくのです。反対に買い手側から見ると、多少収益性が悪くとも資産価値の高い物件取得が可能になるのです。地主さんは余裕がありますから、勉強をしない方が多いのかもしれません。今は実践的に勉強する人が、資産をふやすのに適した時代かもしれませんね。和合 実